「ピアリング戦記 - インターネットを繋ぐ技術者たち」を読んだ
ピアリング戦記 ― 日本のインターネットを繋ぐ技術者たちwww.lambdanote.com宅内ネット環境を弄る関係上、TCP/IPとかは最低限の知識はあるけど、IXやAS、BGPとかは「聞いたことがある」レベルの知識しか無いので読んでみた。
日本で初めての商用IXであるJPIXの計画中、IIJの社長に相談に行ったら「日本にIXは不要。IIJがIXなんだから」と豪語されたと言うくだりはさすがにちょっと笑ってしまった。
「堂島問題」(大阪は堂島のNTTテレパークが関西のネットワークの中心なのだが、ビルが4つあるのに管理がNTTでも微妙に会社が違うとか、4つのビルの構内配線が困難だったとか色々あったらしい)とかへー、と思いつつ読んでたんだけど、一番驚いたのはIXと契約してBGPルータを物理的に接続しても、同じIXに繋がってる他の事業者とは個別に了承しないとピアにはならない、ということ。てっきり同じIX内なら相互に全部繋がってるんだと思ってた。
また、専用線の料金は距離だけで決まるわけではないので、近畿地方どころか中国地方や四国、九州からですら大阪に繋ぐより東京に直接繋いだ方が安い、と言う状況が最近まで続いてたらしい。東日本大震災とそれに伴うBCPがらみで大阪のピアリング拠点として地位が上がり、最近やっとトントンになったとか。
その他、近年のコンテンツプロバイダのCDNとの関係などについても色んな関係者のインタビューが載っていて、130ページ程度とページ数は少ないモノの内容は濃いのでオススメ。